あらすじ

「無理にお母さんって呼ばなくていいからね」 十六歳の俺に、父の再婚相手はそう言った。 三十一歳の彼女は、いきなり母親になろうとはしなかった。俺の気持ちを尊重し、必要なときにはそっと支えてくれる。 そんな彼女と暮らした二年間で、俺は一つの秘密を抱えるようになった。 父の妻である彼女を、好きになってしまったのだ。 想いを告げることなく、進学を機に実家を離れた。 それから五年。 二十三歳になった俺は、父から彼女との離婚を知らされる。 彼女は末期がんを患っていた。 久しぶりに会った彼女は、記憶の中よりずっと痩せていた。それでも、俺をからかう笑い方は昔と変わらない。 今度は俺が、彼女を支えたい。 そう思って始まった日々の中で、二人の距離は少しずつ変わっていく。 かつて俺を守ってくれた女性。 母と呼ばなかった、初恋の人。 大人になった今、俺は彼女の隣に、どんな存在として立てるのだろうか。

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小説を読もう2026/10/19
  • 現在の作品母と呼ばなくていいと言ったあなたに、恋をした。