あらすじ
君は文字で、僕は声で。
切なく甘い、詩人と読人の恋物語。
高校一年生の春、僕は文芸部で一人の先輩に出会った。
高校二年生の彼女は、誰かの心に届く詩を書いていた。
そして僕は、誰かの言葉を声にして届けることが好きだった。
君が詩を書いて、僕が詩う。
たったそれだけの繋がりだったはずなのに、僕はいつしか、君の紡ぐ言葉に恋をしていた。
放課後の部室。何気ない会話。雨の日に交わした約束。そして、初めて聞いた君の声。
君のことを知るたびに、もっと知りたくなった。
君の笑顔を見るたびに、もっと近くにいたいと思った。
けれど、君は僕の先輩で、僕は君の後輩。
君が誰を想って詩を書いているのか、僕はまだ知らない。
君の言葉に隠された本当の気持ちも、僕に向けられた優しさの意味も、何ひとつ分からないまま。
それでも僕は、君の書いた詩を読み続ける。
いつか、この声で君の心に触れられる日を信じて。
君は文字で、僕は声で。
これは、言葉にできない想いを抱えた詩人の先輩と、声でその心を届けたい後輩の、甘くて、少し切ない恋の物語。