あらすじ
人工出生技術によって生まれた十五歳の少女、高梨咲良。
彼女は、現在の医療では治療できない「短命型」の人工生命だった。
限られた時間をどう使うか。
公営の生活選択支援制度でそう問われた咲良が答えたのは――
「アイドルをやってみたいです」
けれど、人生のすべてをアイドルに捧げるつもりはない。
学校には通いたい。友達とも遊びたい。家族とも過ごしたい。休日には家で動画だって見たい。
有名にならなくてもいい。
大きなステージに立たなくてもいい。
まずは一曲。
誰かがほんの少し楽しいと思える時間を作れたら、それでいい。
そんな咲良を担当することになったのは、公営支援員の森田香織。
「できるだけ多くのことを実現してあげたい」と考える香織と、「そこまでいらない」と笑う咲良。
やがて二人の周囲には、かつて小さなステージに立っていた女、残された時間をすべてアイドル活動に注ぎ込む少女、それぞれの方法で咲良を愛する家族や友人たちが集まっていく。
限られた時間を、どう生きるか。
その答えは、一つじゃない。
人工生命の少女と、彼女を支える人々を描く、近未来ガールズ・アイドル連作。