あらすじ
終末世界。
ただし、滅びたのは人類ではない。
終わりを迎えたのは「文学」だった。
AIが人間の感情を完全に解析し、一人ひとりに最適な物語を生成するようになった時代。
小説は産業としての役目を終え、編み物や盆栽のような趣味として細々と残るだけになっていた。
そんな夏休みのある日のこと。
幽霊部員の三浦は、幼なじみである文芸部員・紗季へ忘れ物の水筒を届けるため学校へ向かう。
ニュースでは「文学の終焉」がベストセラーとなり、誰もが人間の創作は過去のものだと語る。
それでも紗季は、静かな部室で今日も原稿用紙に向かい続けていた。