あらすじ
音楽で、このクソ田舎を抜け出したい――。
日本の東北、その片隅で暮らす十九歳のドラマー・岡野コウジと、友人でベーシストの吉田ヤスユキ。
二人はボーカリストとギタリストを探しながら、スタジオ練習を続けていた。
演奏技術ばかりが上がっても、メンバーは一向に揃わない。曲を作っても、それを歌う声も、奏でるギターもない日々に、苛立ちを募らせていた。
そんな二人が、廃研究所と廃トンネルで出会ったのは、猫耳の少女・桜花と、狐耳の少女・橘花だった。
彼女たちは、旧日本軍の秘密計画によって生み出された生体兵器。戦争が終わった後も、人知れず取り残されていた少女たちだった。
桜花が歌い、橘花がギターを弾く。ようやく四人になったバンドが、退屈だった田舎の夏を変えていく。
曲を作り、くだらないことで笑い、少しずつ互いを知っていくうちに、抜け出したいとばかり思っていた町での日々が、四人で過ごすかけがえのない時間に変わっていた。
だが、音楽を奏で始めた彼女たちを、今も兵器として求める者がいた。
※作中には、暴力・流血、戦争に関わる描写、人物の死が含まれます。