あらすじ
函館のショットバー「ブルーアワー」。探偵・霧島源は、夜の静寂の中で一杯のカクテルに心を委ね、自らの内側にあるものと向き合ってきた。ギムレットの鋭い酸味、モヒートの淡い緑、そして夜を深く染める青い灯り。それらは事件の真相よりも確かな、生きているという実感を霧島にもたらす。シリーズ第三作となる本作で、彼は過去の記憶や未来への不安を追うのではなく、グラスに映る自分自身と静かに対峙する。氷の溶ける音、酒の香り、揺れる光。その一つひとつが、彼を「今」という時間へと導いていく。夜はまだ終わらない。青い灯りの下、霧島の新たな歩みが始まる。