あらすじ
三十歳の平凡な会社員、今泉健二。
ある日突然、彼の頭の中に謎の声が響き始めた。
その正体は、どうやら将棋AIらしい。
ただし、このAIには重大な問題があった。
とにかく将棋が指したいのだ。
一定時間将棋を指さないと催促してくるうえに、最初はちっとも強くない。
将棋に興味のない健二にとっては、迷惑極まりない存在だった。
ところが、対局を重ねるうちにAIは少しずつ強くなっていく。
そこで健二は気づいた。
「……これ、将棋の賞金で食っていけるんじゃね?」
目指すは賞金、夢は早期リタイア。
将棋への情熱など欠片もない男が、頭の中の将棋狂いを利用して楽な人生を手に入れようとする。
しかし、AIが強くなればなるほど、周囲の期待も膨らんでいき――。
果たして健二は、念願の悠々自適な生活を手に入れられるのか。
それとも、一生将棋を指し続ける羽目になるのか。
将棋を愛するAIと、金を愛する男の、ちょっとおかしな成り上がり物語。