あらすじ

「家に、家に帰してください……」 海の底にある伝説の城――竜宮城。 そこへ一人の少女が攫われてきた。 彼女の名は、浦島乙女。 あの浦島太郎の子孫である。 竜宮城の主・海竜王は、かつて妹の乙姫を捨てた浦島太郎を憎んでいた。 乙姫は愛する浦島太郎を地上へ帰した後、二度と会えない悲しみを抱えたまま命を落とした。 その恨みを晴らすため、海竜王は浦島太郎の子孫である乙女を竜宮城へ連れ去ったのだ。 最初は復讐のために攫っただけの少女。 だが、乙女の名が亡き妹・乙姫を思わせることに気づき、海竜王の心は次第に変化していく。 優しく世話を焼き、美しい着物を与え、贅沢な暮らしを用意する。 そしていつしか――乙女を手放したくないという想いを抱くようになっていた。 「乙女、このまま竜宮城に暮らす気はないか」 しかし、乙女には地上に帰って会いたい家族がいる。 そして彼女には、婚約者さえいた。 その事実を知った海竜王は、愛情と執着をあらわにしていく。 「僕と結婚して、悠久を生きてほしい」 海竜王が用意したのは、豪華な宴と――婚礼の席だった。 しかし、互いに抱いた想いは決定的にすれ違っていた。 これは、浦島太郎伝説の裏側で生まれた、海の王と一人の少女の物語。 愛しているからこそ、帰したくない。 竜宮城で始まった二人の恋は、やがて少女を永遠に閉じ込めることになる。

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小説を読もう2026/10/15
  • 現在の作品海竜王の寵愛~龍宮城に囚われて~