あらすじ
「唐沢鉄馬を処刑しろ!」
東京地下に出現した巨大迷宮《逆塔》。
そこに集められた十二人は、全国配信される命懸けの人狼ゲームに参加させられた。
三人の人狼を議論で見つけ出し、毎日一人を投票で処刑する。
真っ先に疑われたのは、戦闘力ゼロの元記録係・唐沢鉄馬。
五年前、事故記録を改竄したという濡れ衣を着せられ、ギルドを追放された男だ。
「こいつは無能だ。最初に処刑しろ!」
かつて鉄馬を追放した元上司が、人気配信者まで味方につけて処刑を要求する。
しかし――。
「その写真、時刻がおかしいですよ」
元上司が提出した証拠写真には、まだ点灯していないはずの赤い警告灯が写っていた。
鉄馬が視聴者に求めたのは、たった十秒の公式監視映像。
それだけで、元上司の証言は崩れ始める。
そして全国の視聴者が見守るなか、処刑されるはずだった記録係が、逆に人狼を吊り上げた。
だが、その夜。
鉄馬は残された人狼に殺されてしまう。
――次に目を開けると、処刑を要求する怒号が再び響いていた。
手に入れたのは、死に戻りの力。
武器は、時刻、証言、設備記録、そして一度経験した未来の記憶。
S級探索者も人気配信者も、嘘をつけば証拠を突きつけられる。
しかも階層が変われば、役職も、人間関係も、敵と味方も入れ替わる。
無能と笑われた記録係が、全国配信の人狼ダンジョンで次々と逆転を起こしていく。
戦えない俺が、お前たちの嘘を全部記録してやる。