あらすじ
「井原誠司。王装機破壊ならびに反逆未遂の罪により、死刑とする」
異世界に来て三年。
王国軍の整備士として働いていた俺は、欠陥兵器の運転停止を求めたせいで罪を着せられ、処刑台に立たされていた。
俺の無実を証明したのは、王位争いで最も後ろ盾の少ない第三王女リュゼット。
だが第一王子は、謝罪するどころか俺を「無能整備士」と罵り、王国軍から追放した。
「誠司。私の整備士になってくれない?」
彼女が持っていたのは、翌朝には解体されるはずの巨大ロボット《白雨》。
しかも、全力で戦えるのはたった九十秒。
普通なら勝負にならない。
――だったら、九十秒以内に勝てばいい。
そして翌日。
俺が修理した廃棄ロボは、王国軍の無敗の副隊長を叩き伏せた。
「……あの無能整備士が、どうして?」
驚くのはまだ早い。
安全審査、軍の不正、職人たちの待遇、都市の支持争い。
俺たちが勝つたび、俺を追放した王国軍は地位も契約も信用も失っていく。
今さら戻れと言われても、もう遅い。
俺には、命を預けてくれる仲間がいる。
そして、女王になろうとしている彼女がいる。
これは、処刑寸前だった一人の整備士が、廃棄ロボと第三王女の未来を修理していく、異世界ロボット成り上がり物語。