あらすじ
結婚式まで、あと六週間。「春の縁見」の鏡に映った私の運命の相手は、婚約者のテオドールではなかった。彼にも別の女性の名が告げられ、母は一度会ってみるよう勧める。実際に話してみると、その方は穏やかで、読書の楽しみ方も朝の過ごし方もよく合った。神託は、間違っていない。それでも私は、テオドールと暮らしたい。神殿の新居補助が使えなくなった私たちは、二人の収入で借りられる家を探し始める。明るい窓辺に机を置きたい私と、夜勤明けに眠れる寝室が必要な彼。最初の内見で、玄関から戻ってきた彼に、私は思わず「お帰りなさい」と言っていた。