あらすじ
首都圏の闇を蠢く
匿名流動型犯罪組織
「トクリュウ」。
警察の手が届かぬ巨悪に対し、
暗躍する二つの「狂気」があった。
警視庁トクリュウ対策課の
刑事・紀藤吾六は、
情を捨て、
法を越えた厳律をもって
悪を地獄へ叩き落とす
「鬼」である。
一方、医師・村上は、
己(おのれ)の基準で
人の命を消去し、
あるいは
不慮の死を遂げた者を
「まだ役割がある」と
現世へ引き戻す
「死神」だった。
紀藤が仕留めたはずの巨悪が、
村上の注射一本で蘇生した瞬間、
二人の理(みち)が
不気味に交錯する。
国家を揺るがすフィクサー、
政財界に巣くう巨悪——
世界を
裏から動かす者たちが死に、
そして生き返る。
「せっかく地獄送りにした
奴を、なぜ生かす!!」
「全能気取りの死神め!」
人間の常識や倫理が
一切通じない世界で、
厳格すぎる規律と
清濁(せいだく)併(あわ)せ吞(の)む裁量が
激突する。
正義と悪の相克(そうこく)ではない。
ただ己の「狂気」だけを
胸に刻んだ二人の人間が、
東京の闇を舞台に繰り広げる、
冷徹で狂おしい生殺与奪の死闘。
最後に現世(地獄)に残るのは、
鬼の規律か、死神の裁量か。