あらすじ
神託が人に生きる道を示す世界。
神の偶像から届く声は、その人間に最も向いた道を告げる。神託は間違わない。従えば、本当に人生はうまくいく。だから誰も疑わない。
神託によって勇者に選ばれた青年がいる。勇者の血筋ではなく、ただの農村の生まれ。
神託に従い剣を取り、仲間と旅をし、各地で多くの人を救ってきた。
神託に従い戦場へ向かい、勝つ。勇者として生きることに、誇りを持っていた。
魔王との戦いで聞いたひとつの言葉が、青年の中から消えない。
そして初めて、自分に問う。
「俺は本当に、自分でこの人生を選んだのか?」
そこへ、新たな神託が降りる――。
神託が正しいことと、自分が神託に従うことは、同じなのか。
迷う勇者に、仲間は問いを返す。
「あなたはどうしたいの?」
――そして、神が死んだ。