あらすじ
雨の日、真帆は二百十円を払って坂を下りる。
晴れていれば、自転車で十分もかからない道だ。
高校一年生の春。
通学バスで、小学校時代の友人・紗季と偶然再会した。
それから二人は、雨の日だけ同じバスに乗るようになる。
気軽に二百十円を払う紗季。
その二百十円を毎回考える真帆。
進学を目指す紗季と、働くことを考え始める真帆。
昔は近かったはずの二人のあいだには、いつの間にか、それぞれの暮らしと将来があった。
それでも、知らなかったことを少しずつ知りながら、二人はもう一度、同じ坂道を歩いていく。
雨の日のバスと長い坂をめぐる、二人の少女の青春短編。