あらすじ
炎を操る者、雷を放つ者、鋼鉄をも砕く者。
異能者たちが超常の力を振るう世界で、俺に与えられた能力は、少々変わっていた。
その名も《やる気ナイザー》。
片手剣の形をした異能武装。
斬っても傷はつかない。血も出ない。
ただし、斬られた相手は少しずつ「やる気」を失っていく。
最初は殺意に満ちていた敵も、やがて攻撃するのが面倒になり、追いかけるのが面倒になり、最後には逃げることさえ面倒になる。
もっとも、そこまで持ち込むには、相手の攻撃をかわしながら何度も斬りつけなければならない。
だから俺は今日も剣を構える。
「無気流――壱ノ型! 意気消沈斬ッ!」
「……お前、そんな技名を叫ぶ必要ある?」
「ある!」
派手な必殺技を繰り出す犯罪者と、無駄に本格的な剣術でやる気を削ぎ落とす主人公。
戦いの果てに待っているのは、壮絶な決着か、それとも――。
戦う気も逃げる気もなくなった犯人を警察へ引き渡す、妙に熱くてひどく脱力する異能バトル短編。