あらすじ
星がひとつ消えるたび、誰かの大切な思い出が失われていく世界。
母の笑顔を忘れる者。
友との約束を忘れる者。
愛する人の名前さえ、思い出せなくなる者。
そんな世界で暮らす少女リュシアの胸には、生まれたときから小さな星が宿っていた。
ある満月の夜、星の声に導かれたリュシアは、世界の果ての森へと旅立つ。
そこで出会ったのは、千年もの間、人々の悲しみをひとりで抱え続けてきた星喰いの竜だった。
竜が守っていたのは、世界が忘れようとした無数の想い。
そして、千年前に失われたひとりの魔女の願いだった。
「悲しい思い出をなくしたら、幸せだったことまで忘れてしまうよ」
少女の小さな言葉が、止まっていた世界の運命を動かし始める。
大切な人を想う気持ち。
失うことの痛み。
それでも明日を生きていくための、小さな希望。
これは、孤独な竜とひとりの少女が、星空の下で見つけた優しい奇跡の物語。
読み終えたあと、あなたの大切な人を思い出したくなるような、心にそっと灯りをともすファンタジー。