あらすじ
三千字の発注に一万二千字を書いたシナリオライター・柏木直人。
三案の依頼に二十三案を出し、決定後も描き続けたイラストレーター・水城澪。
こだわりが強すぎる二人が配属されたのは、社内で「資料保管室」と呼ばれる
IP創出室だった。
新規スマートフォン向けRPGに求められるのは、分かりやすさと、三年以上続けられる設計。だが、整った企画書にも、売れ線のキャラクターにも、二人の作りたいものは見つからない。
きっかけは、床に落ちた一枚のラフ。眼鏡をかけた、まだ名前のない少女から、「誰かの記憶を返すたび、自分の記憶を失っていく」物語が生まれる。
けれど、魅力的な物語と絵だけでは、ゲームにならない。プレイヤーは何をするのか。他の人が作っても、この少女は同じ少女でいられるのか。若きプランナーや監修者たちに突きつけられる問いの中で、二人は、自分たちだけのこだわりを、誰かと作る作品へ変えていく。
書くこと、描くこと、そして届けること。譲れないものを抱えたクリエイターたちの、ゲーム制作お仕事ドラマ。