あらすじ
水辺で一瞬目が合っただけの相手を運命の番だと確信した吾輩は、再会の日に備えて巣の片づけから保存食の調整、会話の予行演習、さらには将来の生活設計まで始めてしまう。
心配性ゆえに準備はどんどん細かくなり、ついには集合時間の集合時間まで作る始末。だが、いざ万全の態勢で待ち構えても、肝心の相手は現れない。それでも吾輩はめげるどころか、今回は予行演習だったと前向きに解釈し、さらに皮算用を磨き上げていく。
これは、慎重すぎる一匹のたぬきが、まだ始まってもいない恋に人生設計だけ先行させる、先走りと空回りの物語である。