あらすじ

スマホのアラームを止めようとして、ベッドの柱をへし折った。 「アイゼンハルトの狂犬」。うなり、物を壊し、人に飛びかかると恐れられた伯爵令嬢オディール。婚約破棄の夜会で暴れて倒れた彼女が目を覚ましたとき、中身は入れ替わっていた。 ショッピングモールの施設警備員、守谷灯。二十五歳、施設警備業務検定二級。 母に叩き込まれた「淑女のたしなみ」は、カーテシーも刺繍も日傘も、どう見ても全部ドラゴンの倒し方。体は最強。……でも、私の仕事は、戦うことより守ることだ。 聖女様の祝福式に竜が降りた日。逃げまどう人々を二本の大通りへ誘導し、置き去りにされた聖女様の前で、私は日傘を開いた。 「申し訳ございません。ここから先は、立入禁止です」 胸骨圧迫は「死者蘇生の秘術」と呼ばれ、指差し確認は古代の詠唱だと思われる。助けた聖女様は鞄三つで押しかけてきて帰らないし、元婚約者は来訪者名簿に毎回名前を大きく書いてくる。 地味な警備員の当たり前が、狂犬令嬢を王国一の守り手へ押し上げていく。 ……ところで、竜を見るなり頭の中で「なおさら噛みますわ」とささやくこの声は、いったい誰?

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小説を読もう2026/10/15
  • 現在の作品婚約破棄された狂犬令嬢に転生したので警備員の心得で淑女をやり直します