あらすじ

桑を食む雨音が、止んでいた。 先蚕礼を十日後に控えた後宮の御蚕所で、皇后が育てる聖なる蚕が一夜にして千余匹も死んだ。『北から来た野蚕の皇后が呪った』――責めを負わされたのは、蚕村から来たばかりの下働き・眠(ミン)。 蚕を我が子のように愛し、人間まで『何齢か』『食欲はあるか』で見てしまう彼女は、字こそ読めないが、糸と蚕の声なら誰より読める。 「お蚕さまは病で死んだんじゃありません。毒を、風に乗せて盛られたんです」 勅は、皇后の絹に記したものしか勅と認められない国。主上が姿を消して三月、蚕の死は『絹を要らない誰か』の仕業なのか。 虫が大の苦手な皇后・朔と、字の読めない蚕飼い・眠。凸凹の二人が、糸口から後宮の嘘を手繰りはじめる。

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小説を読もう2026/10/15
  • 現在の作品お蚕さまが死んだら、勅は嘘になる ~字の読めない蚕飼いは、糸口で偊りを手繰ります~