あらすじ
*登場人物*
美野:高校三年の放送部員。時間を守り、周囲の役に立とうと努力する。頑張りすぎた自分を振り返り、変わろうとする。
駿作:美野と同じ放送部の高校三年生。音の細部に集中し、人の気持ちに細やかな配慮をする。惣菜店「こまち」の店主・志津の孫。
楓夏:二人と同じ放送部の高校三年生。冷静に状況を見極め、必要なことを自分で決めて動ける。
志津:「こまち」の店主。長く続けてきた店を自分の意思で閉めることを決めた。
*あらすじ*
高校三年の美野は、卒業前の放送部の活動として、京都の月見坂商店街に流れる日常の音を録り始める。仲間の駿作と楓夏とともに訪れた惣菜店「こまち」は、一月末に閉店するという。
ちくわの磯辺揚げが油ではぜる音。店主・志津が語る「月夜の囁き」という昔話。何気ない放課後のやり取り。大切なものを残そうとする美野の熱意は、やがて「残さないでほしい」という人の願いとぶつかる。
そんな中、駿作の東京への進学が決まる。夢を応援したい。けれど、離れるのは寂しい。言葉にできなかった想いと、もう戻らない店の時間。京都の秋から春へ、三人が音を通して成長する。