あらすじ

霧深きセレスタ王国、ヴェルナの町。

断崖に佇む屋敷に暮らすラスヴェート伯爵は、かつて魔女から「痣の呪い」を掛けられた。以来、住民たちから忌み嫌われ、誰とも心を通わせることなく、孤独な日々を送っていた。

一方、隣町で天涯孤独の画家として清貧な暮らしを送る青年・エンディミオン。ある日、肖像画の依頼を受け、伯爵の屋敷を訪れることになる。

しかし、そこはすべての窓が板でふさがれ、鏡も銀食器も一切置かれていない、異様な空間だった。

顔の左半分を仮面で覆ったラスヴェートに、戸惑いを隠せないエンディミオン。それでも、不気味な屋敷で肖像画を描き進めるうちに、ふたりは少しずつ心を通わせていく。

だが、そんな穏やかな時間の中、ベータであるはずのエンディミオンの身体に、突如として異変が訪れる。

医師から告げられたのは、「遅咲きのオメガ」という診断。そして、アルファである伯爵と自分が「運命の番」であるという、残酷な真実だった。

けれど、ふたりが結ばれる未来はない。

なぜなら、伯爵には五年もの歳月をかけて手紙を交わし続けてきた「婚約者」がいたのだから――。

呪われた孤独なアルファと、遅咲きのオメガとなった画家。

決して結ばれるはずのないふたりが紡ぐ、身を焦がすような愛と再生の物語。


(表紙イラスト・デザイン:あわのすい 様)

連載情報

ウェブ小説

配信言語
アルファポリス
アルファポリス2026/10/31
  • 現在の作品呪いの痣あり伯爵は、遅咲きの画家オメガを放さない