あらすじ

「治癒魔法じゃ、ジジババの腰痛は治せない。――ならば俺の出番だ」 ケアワーカー歴20年。マネジメント業務には目もくれず、今日も今日とて第一線で現場を回し続ける男・佐々木港(ささき・みなと)。 地獄の連勤を終えた夜勤明け、極限の疲労の中で魔法陣を踏み抜いた彼は、剣と魔法の異世界へと飛ばされてしまう。 異世界の王城であっさり不審者扱いされ、追放の末に手渡されたのは、職業安定所《ギルド》の労働斡旋状。 言い渡された仕事は、かつて栄えたが行き場のない老人ばかりが住まう「寒村への物資運搬」だった。 あてがわれた荷車と、無限収納のポーチ。中に入っていたのは、床ずれと傷に効く塗布薬、そして大量の湿布。いつもの現場道具を手に、港は村で苦しむ老婆の「安楽な体位」を整え、曲がり切った爺さんの腰に湿布を貼り付ける。 「ほやあ~……」 張られた瞬間、長年の慢性痛から解放された爺さんの腰から、なぜか神々しい光が漏れ出た。 ――それからしばらくして。 腰痛が治って元気になりすぎた元・英雄の爺さんたちが、片手で竜の首を引きずって凱旋してくることになろうとは、この時の港はまだ知る由もない。 これは、戦わない。無双もしない。 ただ現代の介護技術といつもの道具で、異世界の「老い」と「暮らし」を整えていく、おっさんケアワーカーの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/10/27
  • 現在の作品おっさんケアワーカー、ギルドの運び人『ポーター』となる。