あらすじ
――ただ、護りたかった。
全てを嗤おう。ただ嗤おう。悲しみで腹など膨れないのだから。
地を這い、血を吐いても、嗤ってやる。
気がつけば貧民街に行きついていた。
力のない者が生き残るには、奪うしかねぇ。
あいつはそれを愛といった。
愛だ。あれも愛だ。この世界には愛がたっぷりだ。
金色の目を輝かせ、少年――バルバロッサは今日も貧民街を生き残る。
三流は話にならねぇ。二流は調子に乗る。一流は、能力を見誤らねぇもんだ。
なぁ? そうだろレイトン。
見てろよ。俺は俺を護りきってやるからよ。
檻の中で生まれ、親も知らず、貧民街で生き延びてきた少年バルバロッサ。
気まぐれか、哀れみか、偏屈な老人レイトンから魂の輝きを教わる。
何一つ持たない少年が戦士を知る、愛のダークファンタジー。
※本編『大悪令嬢──蟲這う大陸で戦士達は詠う──』の前日譚となりますが、本作単体でもお楽しみいただけます。