あらすじ
親の期待に応え、決められた将来へ進んできた中学三年生の中村拓夢。夏休み、塾へ向かう途中で事故に遭った彼は、入院先で同い年の少女・加藤綾香と出会う。
生まれつき病弱で、学校にもほとんど通えなかった綾香。漫画やアニメでしか知らない外の世界を語る彼女は、誰よりも不自由なはずなのに、拓夢には誰よりも自由に見えた。
けれど、その笑顔の奥には、母に迷惑をかけているという罪悪感と、口にできずにいた願いが隠れていた。
彼女に残された時間がわずかだと知った拓夢は、病院から彼女を連れ出す。叶えたかったことを、一つずつ叶えるために。
たった三日間の夏休み。
それは二人が初めて、自分の意思で選んだ時間だった。
自由とは何か。大切な人の幸せを願うとは、どういうことか。
ひと夏の出会いが、少年と、二人を見守る大人たちの人生を変えていく青春物語。