あらすじ
その店では、傘だけは売らない。
恋人に振られた土砂降りの夜。大学生の時生天は、雨宿りできる場所を探して入った路地裏で、灯りのともる木の扉を見つける。
扉の向こうにあったのは、本が並ぶ不思議な店「雨間文庫」。そこで出会った店主のプルヴィアは、ずぶ濡れの天を見て「いい雨ね」と言う。
借りた傘を返すため、もう一度あの店を探す天。けれど雨の日も、雨の降らない日も、次第に彼が探すようになったのは、店ではなく彼女自身だった。
自分の望みを後回しにしてきた青年と、誰かを待つことを知らなかった雨の神。
雨の日に出会った二人が、自分の意思で互いを選ぶまでの物語。