あらすじ
世界を支配するつもりなんて、これっぽっちもなかった。
元書記見習いのアレン・ヴェイルは、生活費を稼ぎながら秘密結社《灰冠》の犯罪を調査するため、小さな情報組織《夜明けの帳》を立ち上げた。
目的は、事件の情報を集め、被害を防ぎ、静かに暮らせる日常を取り戻すこと。
ところが、彼の何気ない判断は、優秀すぎる協力者たちによって壮大な計画へと解釈されてしまう。
小さな情報提供が王国の政治を揺るがし、ささやかな調査が大国の陰謀を暴き、目の前の危機を片づけるたびに、組織の影響力は世界規模へと膨れ上がっていく。
やがて各国の権力者たちは、表向きには存在しないその組織を恐れ始めた。
世界の裏側を操る謎の黒幕。
その正体は、家賃と明日の食費を気にしている、ごく普通の青年だった。
「いや、俺は世界征服なんて頼んでないんだが……」
これは、世界を救おうとしただけの青年が、いつの間にか世界の運命を握る黒幕になっていく物語。