あらすじ
最後の一筆だけが、どうしても描けない。
古い商店街で祖母から受け継いだ小さな肖像画工房を守る、十八歳の肖像画師・和泉。
輪郭も、色も、背景も描き終えているのに、なぜか瞳へ最後の一筆だけは描くことができなかった。
その理由を祖母は最後まで教えてくれないまま、この世を去る。
ある日、一枚の依頼をきっかけに、和泉の中で眠っていた不思議な力が目を覚ます。
人の「想い」が、絵に宿る――。
その力の名は、彩眼(さいがん)。
絵に宿る想い。
祖母が遺した秘密。
そして、あやかしから人々を守る青年・黎との出会い。
穏やかだった日常は少しずつ色を変え、人とあやかし、そして魂を巡る運命が動き始める。
これは、想いを描き、魂をつなぐ物語。
少し切なく、どこか温かな、現代和風あやかし恋愛ファンタジー。
登場人物
和泉(いずみ)
祖母から工房を受け継いだ十八歳の肖像画師。最後の一筆だけが描けないという秘密を抱えている。
黎(れい)
あやかしから人々を守る謎の青年。和泉の「彩眼」に気づき、彼女の前に現れる。
千代子(ちよこ)
和泉の祖母であり、先代の肖像画師。「その時は来るよ」という言葉を残し、彩眼の秘密を語らずこの世を去った。
和風ファンタジー × あやかし × 恋愛 × 成長
──「想いは、色となり、魂となる。」