あらすじ
お嬢様は、濡れ衣を着せられた。
王太子との婚約を破棄され、数々の罪を捏造された末、国家反逆罪の汚名まで着せられて処刑されたリリィ。
その傍らに仕えていた侍女、セヴィアはすべてを見ていた。
そして一ヶ月後。
かつての主人を陥れた令嬢エヴィーに拾われ、彼女の屋敷で給仕として働くことになったセヴィアは、完璧な侍女を演じながら、静かに復讐の準備を進めていた。
命令には忠実に。
要望には期待以上に。
決して疑われぬよう、完璧に。
やがて迎える、エヴィーと王太子ルーフィドの婚約発表を兼ねた晩餐会。
華やかな宴の席に、セヴィアが運ぶのは料理でも酒でもない。
――お嬢様を陥れた者たちの、罪の証拠。
「ただの給仕だからこそ、完璧なおもてなしを、と思ったまでです」
これは、亡きお嬢様のために仕掛けられた――
一人の侍女による、最後の「おもてなし」の物語。