あらすじ
魔王は倒した。
ならば次は――人々を苦しめる「仕組み」を変える。
魔王軍を討ち果たした勇者パーティーの参謀、ノア・レクシオン。
英雄たちが喝采を浴びる一方、王都の足元では難民が飢えていた。
「剣だけじゃ、人は救えない」
そう悟ったノアは、勇者の地位も名誉も捨て、二年後、国に見捨てられた廃棄都市バルドを全財産で買い取った。
彼が始めたのは、英雄らしい冒険ではない。
坑道を掘り、道路を直し、労働者を雇い、帳簿を整え、そして――鉄道を敷く。
社会から弾き出された技術者、監査官、職人たちを仲間に迎え、彼らは「剣」ではなく「仕組み」で街を変えていく。
鉱山が蘇り、工場が生まれ、物流が繋がる。
やがて廃棄都市は魔導工業都市へ。
だが、その繁栄は既得権益に牙を剥いた。
巨大商業ギルド、腐敗した国家、そしてかつての仲間たち。
ノアは、剣を抜かない。
鉄道を敷き、物流を握り、会計と契約で敵を追い詰める。
地方を繋ぎ、国家を繋ぎ――最後には、国家そのものを「買う」。
「祈る暇があるなら、スパナを持て」
これは、剣を捨てた元英雄が、世界最大の民間インフラ組織を創り上げていく、異世界産業革命譚。
※本作品は、カクヨムにも連載しております。