あらすじ
巨人を見つけたのは先週の土曜の朝のことだった。
海岸をぶらぶら散歩していたら、浜辺にどーんと打ち上げられていたのさ。そう、おれが第一発見者だ。このおれがだぜ? これまでの人生でこれといっていいことなんか何一つなかった、このおれが!
……まあ、だーれも話なんか聞きに来やしなかったんだがな。まあ、そりゃそうだ。巨人を見つけるのは別に難しいことじゃない。なにせでかいからな。遠くからでも嫌でも目に入る。
見た目は二十代から三十代くらいの男だった。鼻筋は高く――まあ、あいつより鼻の高い人間なんてこの世にいねえだろうな――潮に濡れた前髪は額にべったり張り付いていて、色は茶色。青白い肌に、口元や顎には髭の剃り残しがうっすらとあった。
そして肝心のそのでかさときたら……まあ、うつ伏せで倒れていたから正確には分からねえが、あいつより高い建物なんぞ、この町にはねえってことだけは断言できる。もしあいつが本気で暴れたら、都市の一つや二つ簡単に消し飛んじまうこともな。もっとも、それは人間たちがあいつをぶっ殺そうとして落とした爆弾のせいかもしれねえがな。