あらすじ
高校二年の春。
クラス替えで、去年と同じクラスになった宮野。
一年間、同じ教室にいたはずなのに、ほとんど話したことのなかった彼女と、ひょんなことから少しずつ言葉を交わすようになる。
一緒に帰ったり、放課後に寄り道したり。
何気ない時間を重ねるうちに、俺の日常は少しずつ変わっていった。
「今年は、もっと近くにいようね」
宮野がときどき口にする、その言葉の意味を俺はまだ知らない。
ただ、春の終わりには。
昨日まで知らなかった誰かが、
いつの間にか、少しだけ特別になっていた。
これは、まだ「恋」と呼ぶには早かった、
二人の一年間の話。