あらすじ
## あらすじ
神谷悠真、38歳。
ブラック企業に15年以上勤め、朝から晩まで働く毎日。
趣味だったキャンプからも遠ざかり、気づけば仕事だけの人生を送っていた。
そんなある日、悠真は久しぶりにキャンプへ出かける。
焚き火を眺めながら、昔の自分を思い出す悠真。
しかし、その夜――突然の豪雨により山が崩れ、土石流に巻き込まれてしまう。
そして目を覚ました悠真の前にいたのは、眩い光を放つ老人。
「お主があまりにも気の毒でのう」
神様だった。
異世界で、もう一度人生をやり直すことになった悠真。
戦士、魔法使い、そして特別な職業である勇者。
さまざまな職業を提示された悠真が選んだのは――
「旅人」
戦闘能力が低く、世間では「無能」と呼ばれる職業だった。
しかし旅人には、生活魔法、体力強化、短剣術、狩猟、採取、野営、危険察知、そしてさまざまな耐性など、旅をするための多くのスキルが備わっていた。
悠真は思う。
「苦労しながら、楽しみたい」
前世ではできなかった、自分のための人生。
悠真は旅人として、自由に世界を歩き始める。
一方その頃――。
魔族の国では、魔王の娘リリアもまた、外の世界へ旅立とうとしていた。
見た目は十歳。
しかし実年齢は四十二歳。
歴史や魔法に関する膨大な知識を持ち、秘められた魔力は父である魔王をも超える可能性を秘めている。
そんなリリアを心配した魔王は、側仕えであり護衛でもあるセシリアを密かに同行させる。
二人が向かう先は――イルティ村。
そして悠真もまた、イルティ村を目指していた。
まだ誰も知らない。
「無能」と呼ばれた旅人と、魔王の娘。
二人の出会いが、この世界の運命を大きく変えていくことを――。