あらすじ
子爵の婚外子として引き取られて以来、家族や婚約者の役に立つため、必死に働いてきたクレア。
けれど婚約者からは、正統な血筋を持つ伯爵令嬢を妻にすると捨てられ、実家からも「役立たず」と追い出されてしまう。
帰る場所も行く当てもなく、王都の時計塔へ上ったクレアは、うっかり足を滑らせて転落しかける。
そんな彼女を助けたのは、黒いローブをまとった謎めいた青年だった。
彼は、クレアにある提案を持ち掛ける。
「じゃあ君の次の行き先が決まるまで、その命を僕に貸してくれない?」
青年の正体は、百年以上の時を生き、王家さえ一目置く伝説の大魔術師ノルン・クライア。
命を貸せ、と言うことは、世界を救うための生贄か、それとも禁断の魔術の実験台にされるのか。
不安を抱えながらも彼の屋敷へ足を踏み入れたクレアだったが、頼まれたのは、想像していた壮大な役目とはあまりにもかけ離れたものだった。