あらすじ
県警捜査一課の刑事、真壁修司。五十六歳。
休日の朝、彼が真剣に向き合っていたのは事件ではなく、コーヒーゼリーだった。
キリマンジャロとマンデリンを合わせ、砂糖の代わりに甘味料を使う。
あとは冷蔵庫で固まるのを待つだけ――。
そんな静かな休日に、一本の電話がかかってきた。
『こちらは、○○警察署です』
あなた名義の携帯電話が事件に使われている。
六本木で契約されている。
事情聴取が必要だ。
そして――このことは誰にも話してはいけない。
刑事の休日にかかってきた、警察を名乗る奇妙な電話。
事件になるほどでもない。
犯人を追うわけでもない。
これは、コーヒー馬鹿の刑事・真壁修司の、ある休日のお話。