あらすじ
【紹介文(あらすじ)】
細胞が燃える。代償は俺の命。遺伝子に刻まれた「熱」で、運命を焼き尽くせ。
西暦2050年。AIと遺伝子データによって全人類の健康が「最適化」された世界。
医学、分子生物学を学ぶ大学生・神代創(かみしろ そう)は、ある日突然、右腕に異常な「熱」を宿す。
それは魔法でもファンタジーでもなかった。
10年前に失踪した天才遺伝子学者の父が、幼い創の遺伝子に組み込んでいた生体プログラムの「覚醒」だった。
細胞内のエネルギー工場(ミトコンドリア)を限界まで暴走させ、自らの肉体を燃料にして超高熱を生み出す、命削りの異能力。
「この熱は、俺を化け物にするのか――」
覚醒を察知し、襲い来る巨大生命情報企業『アダム・ジェノミクス』の包囲網。
創は、父の旧友である白石博士、古代記号学者のエマ、天才ジャンクエンジニアのレオと共に、ネットワークから切り離された旧式車両「アルゴー号」に乗り込み逃亡劇を開始する。
目指すは、極寒のシベリア。
古代の石板が示す「十二の力」とは何か。人類の遺伝子に隠された空白の謎とは。
己の細胞を壊しながら熱を放つ主人公が、世界の常識を覆すサイエンス・アクションサバイバル!
【登場人物紹介】
■ 神代 創(かみしろ そう)
本作の主人公。19歳の医学生。
失踪した父を憎み、母を安心させるために普通の臨床医を目指していた。しかし、右腕に強烈な熱を放つ能力が覚醒し、過酷な逃亡劇に巻き込まれる。
医学・分子生物学の知識を持っているため、自分の身体が「限界を超えたエネルギー消費と高熱」によって内側から壊れていく恐怖を誰よりも理解している。それでも仲間を守るため、自らの意思で命を燃やす覚悟を決める。
■ エマ・ハワード
オックスフォード大学で古代言語と古記号学を研究する若き女性。
蜂蜜色の髪と、状況を冷静に分析する知性の持ち主。現代AIでも解読できない「人類以前の記号」を追っている。自分の身体が人間離れしていくことに怯える創に寄り添い、決してその手を離そうとしない芯の強さを持つ。
■ レオ
「アルゴー号」を駆る、自称・天才エンジニア。ゴーグルと作業着姿で、常にハイテンションなムードメーカー。
すべてがネットに接続された現代社会を嫌い、AIの監視をすり抜ける旧式ディーゼルエンジンやアナログ機械を愛する。彼の運転と改造車両が、創たちの命綱となる。
■ 白石博士(しらいし)
創の父・宗助の昔の研究仲間。
アダム社から創を逃がすため、エマと共に現れた導き手。創の暴走する代謝を抑える「人工抑制パッチ」を持つなど、多くの謎と知識を秘めている。
■ 神代 宗助(かみしろ そうすけ)
創の父親。「狂気の天才」と呼ばれた遺伝子研究者。
10年前の爆発事故で死亡したと思われていたが、実は幼い創の遺伝子に「何か」を組み込み、現在までその成長と覚醒を監視し続けていた。創を極寒のシベリアへと導く手記を残す。
■ ジュリアン・ヴァンス
世界中の生命情報・医療インフラを握る超巨大企業「アダム・ジェノミクス」の最高経営責任者。
十年間、創の覚醒を待ち続けており、冷酷な手段で彼を追いつめていく。