あらすじ
私の目の前には今、十年来の婚約者である侯爵令息のエラリー様がいる。
貴族ですので恋愛結婚ではないけれど、卒業後は夫婦として互いに尊重し、穏やかに暮らしていくものだと思っています。
ところが本日──結婚衣装の打ち合わせの日、エラリー様は騎士学校の女友達を連れていらしたのです。
「ミラは男友達みたいなものだから」
そう言ってミラ様の隣に座り、お菓子を奪われても楽しそうに笑っている。
そのミラ様も、初対面の私にずいぶん遠慮がないお方でした。
「サリア様って養女なんでしょ?」
「エラリーは婿入りしてあげるんだから、あんまり偉そうにしないほうがいいんじゃない?」
……私が養女なのは事実です。
公爵家の跡取りでもありません。
婚姻後は別の爵位を受け継ぐのですが……それと、このおかしな女性は何か関係があるのでしょうか?
しかもエラリー様は、隣で聞いているだけ。
私、この方と結婚する予定なのですよね?
なんだか少し、不安になってきました。