あらすじ
宝くじを当てて隠居した三宅秋人は、郊外の大きな家で静かに暮らすはずだった。
ところが暇つぶしで書いた小説が新人賞に見事に落選した夜、夏目漱石、芥川龍之介、江戸川乱歩、樋口一葉、与謝野晶子が家に突然召喚される。パソコンの中にはAI太宰治までいた。
六人の帰還条件は、投稿サイト「ノベルポート」の週間ランキング一位。文豪なら週間一位くらい簡単に取れるだろうと思った秋人だったが、彼らは現代の流行もWEB小説の作法も知らない。
「私の『杜子春』や『蜘蛛の糸』も、今なら『地獄に落ちた俺が蜘蛛の糸一本で無双する件』にタイトルを変えるべきだったか」
真剣に悩む芥川。事件を探す乱歩。原稿を斬る晶子。SNSで十万フォロワーを集め、規約の穴を探す太宰AI。秋人のツッコミは、とても追いつかない。
静かだった家では、毎日のように執筆会議と騒動が始まる。しかも秋人の落選作まで、本人の知らないところで全員に添削されていて――。
文豪六人と素人一人が、WEB小説の週間ランキング一位を目指す騒がしい秋の共同生活コメディ。