あらすじ

人間、エルフ、獣人、竜人が共存する世界。 獣人と竜人は、生涯ただ一人の「番」を持つ。 同じ番文化を持ちながらも、他種族との共生を選び、番との関係に法や制度を整えてきた獣人たちに対し、竜人は番を見つければ、相手の意思に関係なく連れ去ることさえ珍しくない。 圧倒的な力を持つ彼らに対し、人間・エルフ・獣人の三種族は長年、外交と対抗技術の研究を重ねていた。 そんな中、エルフの女性アイリアナは、竜人国の王ヴァルザードから突然「番」だと告げられる。 世界でも屈指の強者である竜王、その生涯唯一の番に選ばれたことを、アイリアナは心から喜んだ。 しかし――。 「番に選ばれたことは嬉しく思っています。ですが、それで私の意思まであなたのものになるわけではありませんでしょう?」 当然のように自分を連れ帰ろうとするヴァルザードを拒絶し、強引に触れれば対竜人用の魔法で跪かせる。 無断で触れないこと。 命令しないこと。 拒絶されたら諦めること。 約束を守れば手を握り、褒め、時には抱きしめる。 最強の竜王は、やがて彼女の許可と褒美を求めるようになっていく。 そうして竜王の番として竜人国へ入ったアイリアナは、国内へ連れ去られてきた異種族の女性たちについて調べ始める。 名前。 出身地。 連れてこられた時期。 そして、現在の居場所。 彼女はなぜ、そこまで執拗に女性たちの記録を追うのか。 すべての理由が明らかになったとき、竜王の番として笑っていたエルフの、本当の「愛」が姿を現す。 これは、愛によって竜王を救う物語ではない。 深い慈しみと消えることのない憎悪を抱えながら、それでも理性によって国を支配した、一人のエルフの物語。

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小説を読もう2026/09/27
  • 現在の作品竜王の番は、その愛をもって君主の隣に立つ