あらすじ
婚約破棄を告げられ、明朝には処刑されるかもしれない。
その瞬間、公爵令嬢エルゼは前世を思い出した。ここは、日本にいた父が夢中になっていた乙女ゲームの世界。そして自分は、断罪される悪役令嬢だ。
ただし、ゲームをやっていたのは父。娘のわたくしは、食卓での熱弁を聞き流していた。
「王子はやめておけ」
「宰相の息子もやめておけ」
「庭師はいいぞ」
肝心の処刑回避方法が、まったくわからない。
そこで家宝の召喚石に願った。
「いちばん私の味方になってくれる人を喚び出して!!」
現れたのは、ビール片手に風呂上がりの父だった。
「まず確認したい。庭師は生きてるか」
「そこぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」
全ルート攻略済み、剣も魔法も使えない五十二歳。
頼みの攻略知識は、娘がこの世界で暮らしてきた日々のせいで、少しずつ当てにならなくなっていて――。
悪役令嬢と普通のお父さんが、夜勤の人たちまで巻き込んで断罪に立ち向かう、笑って少し泣ける父娘ファンタジー。