あらすじ
「俺、結婚しようか迷ってるんだよね」
六年ぶりに届いたDMは、たった一行だった。
高校時代、互いにいちばん好きだった二人。周りの声に流されて、答えを出さないまま終わらせたしゅん。別の人と結婚し、ベランダの花だけを話し相手にしてきた小春。
優しいのに自分を見てくれない夫。家族と縁を切り、誰にも頼れない日々。それぞれが抱えたものを口にできないまま、二人はもう一度、少しずつ言葉を交わしはじめる。
花の名前をひとつも覚えなかった男と、道端の草の名前まで教えずにはいられなかった女。
坂の下の小さなラーメン屋で、味玉を二つ。
章ごとに一輪の花を添えて贈る、大人の再会の物語。