あらすじ

天空へ、どこまでも伸び続ける巨大な螺旋。 その一巻きは大陸や大海にも等しく、どこまで続いているのかを知る者はいない。 人間が情報を持ち帰ったことがあるのは、「中層」と呼ばれる領域まで。 その先について分かっているのは、ただ一つ。 螺旋は、まだ上へ続いている。 青年ノアは、五歳のころから探検者たちに囲まれて育った。 彼が慕っていたオルディス探検団は、ある日、大規模な遠征へ旅立った。 そして十年近く後。 帰ってきたのは、傷つき、病に侵されたわずかな者たちだけだった。 その一人はノアに語った。 「帰ってこない竜もいる。落ちてくる竜もいる。そういうことだ」 それから約十年。 青年となったノアはセイルド探検団の若手として故郷を旅立つ。 五年に及ぶ探索の末、彼らはついに中層を目前にする。 そこは、ノアが一度も見たことのない竜が現れる場所だった。 特定の時期になると、竜たちは一頭、また一頭と天空へ向かって一直線に上昇する。 そして、その多くが落ちてくる。 途中で再び目を覚ます竜。 そのまま墜ちていく竜。 落下する途中で、別の生物に捕らえられる竜。 そして――帰ってこない竜。 なぜ、竜は上へ行くのか。 その答えをまだ知らないまま、ノアたちもまた、誰も確かな地図を持たない上方へ進んでいく。 強大な生物に出会えば逃げる。 食料にするなら、狩りやすくて旨いものを選ぶ。 知らない植物を見つければ、まず観察する。 見て、聞いて、感じる。 そうして一歩ずつ未知を既知へ変えながら、人類がまだ情報を持ち帰ったことのない領域を目指す。 これは、世界を救うための旅ではない。 天空の果てにある財宝を求める旅でもない。 ただ、その先をまだ誰も知らないから。 未知へ踏み込む者たちの、探検の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/09/27
  • 現在の作品『竜は空へ、人は螺旋へ ――天空螺旋の探検団――』