あらすじ
あらすじ
母を幼い頃に亡くし、父・正弥と二人で暮らしてきた小学六年生の渡辺一弥。
夏休みを目前に控えたある日、父が体調の検査のため入院することになる。
「心配するようなことじゃない。ちょっと調べてもらうだけだ」
そう言う父だったが、一弥にはどこか不安が残った。
父の入院中、一弥は父の兄・正人が暮らす海辺の町で過ごすことになる。
都会とは違う、蝉の声が響く町。
そこで一弥は、同い年の少年少女たちと出会う。
一緒に遊び、喧嘩をして、笑って、そして少しだけ恋を知る。
けれど、夏が終われば、それぞれの日常へ戻らなければならない。
青い空と向日葵が揺れる、十二歳の夏。
その夏に吹いた「あらし」は、一弥の心に何を残すのか――。
登場人物
渡辺 一弥(わたなべ かずや)
小学六年生(12歳)
幼い頃に母を亡くし、父と二人暮らし。真面目で心優しいが、傷つくのを恐れて周囲に気を遣いすぎる一面もある。父の突然の入院をきっかけに海辺の町へ預けられ、かけがえのない仲間たちと出会うことで精神的に大きく成長していく。
葵(あおい)
小学六年生(12歳)
海辺の町で暮らす少女。スケッチブックを肌身離さず持ち歩く絵が得意な女の子。大人びていて少し陰のある雰囲気を纏う。実は持病を抱えており、秋から東京の病院に入院・転校することが決まっているが、仲間を心配させまいと一人で抱え込んでいた。
翔太(しょうた)
一弥の友人/小学六年生(12歳)
地元で生まれ育った真っ黒に日焼けした坊主頭の少年。ムードメーカーで少年グループのリーダー格。感情表現がストレートで口より先に体が動くタイプだが、仲間思いで情に厚い。
新城 和樹(しんじょう かずき)
一弥の友人/小学六年生(12歳)
眼鏡をかけた知的な少年。翔太の幼馴染で、暴走しがちな翔太をたしなめるブレーキ役。一弥の不安な気持ちにいち早く気づくなど観察眼が鋭く、思いやりのある性格。
渡辺 正人(わたなべ まさと)
一弥の伯父(父・正弥の兄)
海辺の町で暮らす男手一つの一弥を温かく見守る存在。豪快で頼り甲斐があり、油と潮の匂いを纏った大人。一弥の良き理解者であり、いざという時には厳しくも温かい助言を与える。
渡辺 正弥(わたなべ まさや)
一弥の父
男手一つで一弥を育ててきた優しい父親。一弥に余計な心配をかけまいと病状(胃の腫瘍)を隠していたが、手術を控えて一弥と正面から向き合う決意をする。