あらすじ
――二〇七五年、人口収縮を続ける日本に現れた、境界線。
インフラを間引く「中央圏」と、次世代の希望「ギルド連」が激突する孤高の峠。
その歪みが引き起こしたのは、完璧に計算された【気圧密室殺人】だった。
法で裁けぬ悪への私刑なのか。
冬の雪山を、地図も靴もなく「裸足」で直進する超人的な暗殺。
物証はすべて吹雪が消し去った。
だが、仕立てのいいチャコールグレーのスーツを纏った【古今東西最高の探偵】阿賀作馬は、
容疑者となったニューギニア青年、ディポ・モニの「心の奥底」を見逃さない。
「知ってたよ。君の瞳に、違う山の風景があるのをね」
油断して語った故郷の真実と、虚偽に隠された謀略の影。
論理の牢獄が、青年を追い詰めていく。
アガサ・クリスティ『オリエント急行の殺人』のエキスを2075年の地政学サスペンスへと昇華した、論理と情緒の本格ミステリ。
※本作は、カクヨム連載中の本格SFサスペンス『異能市長』の公式スピンオフ(シェアード・ワールド作品)です。
本編を未読の方でも、独立した一本の推理小説として完全にお楽しみいただけます。