あらすじ
小学五年生の春、転校してきた黒瀬は、クラスで一人になっている少女・天城エレナと出会う。
日本人と外国人のハーフで、金色の髪を持つエレナは、友達を庇ったことをきっかけに、クラスでいじめられていた。
そんな彼女を見ても、黒瀬は「助けてあげよう」なんて考えなかった。
ただ、なんとなく気になった。
机に書かれた悪口を消して、一緒に遊んで、昼休みには隣で弁当を食べる。
「今日、暇? じゃあ遊びに行こうぜ」
黒瀬にとっては、それだけのこと。
けれどエレナにとっては、その日から世界が変わった。
初めて自分の隣にいてくれた男の子。
初めて、自分を特別扱いせず普通に接してくれた男の子。
――エレナは、その日から黒瀬のことが好きだった。
小学生、中学生、高校生。
二人は何度も同じ季節を過ごし、遊び、喧嘩をして、笑い合う。
エレナの気持ちはずっと変わらない。
一方の黒瀬は、あまりにも近くにいるエレナを「大切な幼なじみ」だと思い続けていた。
やがて高校生になった二人。
エレナの隣にいることが当たり前だった黒瀬は、彼女が他の男子と話すと胸がざわつくことに気づく。
ずっと一緒だったから分からなかった。
自分がいつから彼女を好きだったのか。
そして二人は、長い年月を越えて、ようやく同じ気持ちで向き合うことになる。
これは、ひとりぼっちだった少女と、彼女の隣に座った少年が過ごした、何年もの青春と恋の物語。