あらすじ
アルス誕生から百八十四年。
交易都市ラゼンで暮らす十五歳の少年、カイ・ルーダ。
ある日の放課後、偶然立ち寄った青年限定の賭約で、彼は初めて勝負の席につく。
だが、カイが見ていたのは相手の表情や勝敗だけではなかった。
ルール。
裁定。
記録。
情報の偏り。
そして、勝負が始まる前から存在する小さな不確定要素。
「……まずは、仕組みを見よう。勝負は、それからだ。」
一度の小さな賭約をきっかけに、彼の名前は少しずつ賭約院の記録へ刻まれていく。
これは、特別な力を持たない一人の少年が、観察し、考え、時には間違えながら、巨大な賭約の世界へ足を踏み入れていく物語。