あらすじ

結婚式まであと三日。ヴェールの丈を合わせていた伯爵令嬢オティーリエのもとに、いつもの知らせが届きます。「ザイラー家の猫がいなくなったそうです」 婚約者ベルトルトの幼馴染、ミンナの猫がいなくなるのは、この五年で十七回目。そのたびにベルトルトは駆けつけ、絵の得意なオティーリエは、使いから聞いた特徴だけで迷い猫の似顔絵を描いて渡してきました。耳の欠けも、尻尾の曲がりも、見てきたように。 けれど、猫は一匹も見つかっていません。 十七枚目を描き終えたところで、オティーリエは初めて言います。「今日は、わたくしも参ります」 その帰り道、馬車の屋根から丸々とした灰色の猫が降ってきました。首輪には宰相府の紋章があります。届けた先にいたのは、社交界で「笑わない宰相」と呼ばれるヴィンフリートでした。飼い主のはずの彼の腕を、猫の書記官殿は断固として嫌がります。 書記官殿がオティーリエの膝から降りないせいで、彼女は週に三日、宰相府で猫の散歩係をすることに。ところが書記官殿は胴輪をつけるなり石畳で横倒しになるし、宰相はなぜか毎回中庭で「脱走経路の確認」をしているし、気持ちを伝えるときまで報告書の口調です。 本編6話と、書記官殿視点の番外編2話です。 猫と不器用な宰相と、絵を描く令嬢を見守っていただけたら嬉しいです!

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小説を読もう2026/09/27
  • 現在の作品猫係令嬢は宰相閣下にも懐かれる