あらすじ

今々、あるところに、一人の冴えない男がおりました。 男の名前は、阿倍野浩二。 営業成績は悪い。 彼女はいない。 友達もいない。 そんな阿倍野が趣味の釣りをしていたある日、一匹の大きな海亀を釣り上げます。 しかも、その海亀。 喋りました。 そして口から、古びた箱を吐き出したのです。 箱に刻まれていた文字は――『玉手箱』。 「……って、信じるかぁ!!」 阿倍野は海へ捨てました。 ところが翌朝。 捨てたはずの玉手箱が、なぜか枕元に置かれていました。 海へ捨てても戻ってくる。 ゴミに出しても戻ってくる。 どこへ置いてきても戻ってくる。 そこで阿倍野は、とんでもないことを思いつきます。 「これ、売っても戻ってくるんじゃねぇの?」 売って、戻ってきたら、また売る。 これを繰り返せば、一生働かなくていい! そう考えた阿倍野は、玉手箱をネットオークションへ出品。 そして翌朝。 入札価格は――一億円。 「俺、億万長者じゃん!!」 会社を辞め、自由な人生を手に入れようとする阿倍野。 しかし彼は、まだ知りません。 なぜ玉手箱が自分のもとへ戻ってくるのか。 なぜ一億円を払ってまで、玉手箱を欲しがる人間がいるのか。 そして――。 この世界に存在する昔話が、玉手箱だけではないことを。 昔話は、昔の話とは限らない。 これは、昔話が現代へ迷い込んだ世界で繰り広げられる、ちょっとおかしな現代昔話。 めでたし、めでたし。 ……たぶん。

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小説を読もう2026/09/27
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