あらすじ
小学生のころ、二歳上の幼なじみが、家族とともにフランスへ渡った。
六年後、彼女は帰ってくる。
ずっと彼女を好きだった少年と、彼を弟のように大切にしていた少女。
再会すれば元に戻れる――そんなに簡単ではなかった。六年は長い。背も伸びた。好きなものも、考え方も変わった。知っているはずの相手には、自分の知らない時間がある。
二人は、昔の続きを始めるのではなく、今の相手をもう一度知るところから始めていく。
けれど、この物語は二人が結ばれて終わらない。
長く好きだった人に選ばれない人。
一度別れた相手を、もう一度選ぶ人。
恋人と離れてでも、自分の仕事を選ぶ人。
結婚という制度が、長く続いた生活にあとから追いつく人。
過去の恋を消さないまま、今そばにいる人を愛する人。
そして、自分には分かっていると思った相手を、本当は分かりきれないと知っていく人。
恋人になっても、夫婦になっても、家族になっても、人は変わる。
選ばれなかったからといって、好きだった時間が偽物になるわけでもない。
やがて彼らの時間は次の世代へつながり、同じように見えて、まるで違う恋が始まる。
過去を消さず、今を選ぶ。
そして今日の答えだけで、まだ知らない未来を決めつけない。
六年ぶりの再会から始まる、恋と家族と、その先の人生を描く長編群像劇。