あらすじ

高校二年の冬、白石美桜は二十年前のライトノベルを読んでいた。 AIなら、たった数時間で二十万字の小説を書ける時代。 読者がどこで退屈し、どこで泣くのかまで予測され、 誰でも「自分が一番好きな物語」を作れるようになった世界で、 美桜だけは、原稿用紙に鉛筆で小説を書いていた。 「AIを使えばすぐ書けるじゃん」 「そうなんだよね」 「じゃあなんで?」 答えられなかった。 ただ、好きだった。 好きな本の最後の二十ページになると、読むのが遅くなる。 ページをめくらなければ、 まだ二人は別れない気がするから。 人間は、たかだか百年くらいしか生きられない。 その間に何かを好きになって、 覚えて、忘れて、 それでも何かを残そうとする。 AIが人間よりずっと上手に物語を書けるようになった未来で、 それでも一人の少女が小説を書く理由。 これは、 「上手に書くこと」ではなく、 何を好きになり、 何を忘れ、 それでも何を残したかったのか。 そんな、人間と創作についての物語です。

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カクヨム
カクヨム2026/09/27
  • 現在の作品好きなものの残し方